大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和31年(オ)1066号 判決

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

論旨は、新憲法よりすれば、広く行政庁の違法処分を排除すべきものであつて、原判決が原告適格を狭く解しているのは正当でないと主張する。しかし訴を提起するには、これにつき法律上の利益あることを必要とするは、訴訟法上の原則であつて、行政庁の違法処分の取消を求める訴についても、これと別箇に考うべき理由はない。本訴についても、上告人にこれを提起すべき法律上の利益は、これを認め得ない。以上と同趣旨に帰する原判決は正当である。論旨は、独自の見解に立つて原審の判断を非難するものであつて、理由がない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 石坂修一 裁判官 島 保 裁判官 河村又介 裁判官 高橋潔)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例